試作車の時点では「OLG490」という登録番号だったことから「オルガ」と呼ばれていたこのプロジェクトは正式なプロジェクトではありませんでした。取締役会の中には、リムジンも製作しているロールス・ロイスの車としてはスポーティすぎるという意見もありました。それでもエヴァーデンは社内の賛同者や海外ディーラーの協力を得て、コーチビルドのベントレーグランドツアラーは市場に受け入れられるはずだと取締役会を説得。そして彼の予想通り、イギリスの購買税込みで6,928ポンドという高額にもかかわらず、世界中から注文が舞い込んだのでした。ちなみに1952年当時、イギリスの平均年収は468ポンド、平均住宅価格は1,891ポンドでした。Rタイプ コンチネンタルが生産された3年間、オーナーの多くはオプションの追加を希望したため、車重に影響することもありました。エンジンはボアの拡大によって4,887ccにスケールアップし、時速約115マイルの最高速度と時速100マイルでのゆったりとした巡航を実現しました。また、量産車は「オルガ」とは異なり、ルーフラインが低めになり、フロントガラスは1ピースに変更、フェンダーラインも改良されていました。1955年の生産終了までに208台のRタイプ コンチネンタルが製造され、15台の例外はあるものの、ボディはH.J.マリナーが製作しました。